便器を取り外す方法や注意点を分かりやすく徹底解説!
トイレがつまった際に症状の軽いものであれば、家庭にあるラバーカップなどを使う方法で、簡単につまりを解消することもできます。ただし排水管の奥の方で挟まると、便器を丸ごと取り外して確認しなければなりません。ここでは背中にタンクのある一般的な便器について、その取り外し方法を詳しく紹介します。
便器を取り外す前に準備すべきモノやコトについて
まずトイレの便器を外すには、モンキーレンチをはじめスパナやドライバーといった工具が必要になります。また、塩ビパイプ用ノコギリやラチェットレンチさらにナットブレーカーのように、一般的な家庭にはないような工具も、状況次第では用意する必要があります。
ちなみにラチェットレンチがあると、ナットを素早く締めたい時には便利です。またナットがサビなどで腐食している場合には、ナットブレーカーでナットを割って外すことができます。さらに水を抜く際に使用する、灯油用のスポイトがあると便利です。
取り外しでは水回りの作業になるので、床面に敷く防水シートをはじめ、濡れた箇所を拭くための雑巾、水分を吸い取るための新聞紙なども必要です。また手を保護するための軍手やビニール手袋、さらに臭いが気になるのなら、マスクも用意するとよいでしょう。
一通りの工具や用具類を準備したら、次に水抜きを行います。その前に必ずしなければならないのが、水栓をドライバーで閉めることです。これを忘れると給水管から水があふれ出し、床面を水浸しにするので注意が必要です。
続いてタンク内の水を抜きます。便器内に水が残っていなければタンクレバーを徐々に引いて、水を排出していきます。この作業を怠るとタンクを取り外した際に、大量に水がこぼれることになります。絶対に忘れないようにしてください。
まずタンクから先に取り外す
タンク内の水を抜いたら、その上部のフタを外します。手洗い管が付いているタイプは内部のボールタップと接続されているので、モンキーレンチ等を使って切り離します。 ここで注意したいのが、手洗い管を手に持って作業をしないことです。突然抜けてタンクを傷つけたり、ケガをすることさえあるからです。
続いてタンクと接続されている配水管も、同じ要領で切り離します。ただし、まだタンクには2ヶ所ほどナットで固定されているので、それを外してはじめてタンク本体の移動が可能になります。
タンクを外す際に注意すべきことは、落下させるなどして破損しないようにゆっくり慎重に移動することです。また床面には直接置かないで、タオルなどを敷いてから寝かせた状態にします。こうすることで床やタンクを傷つけることなく、安定感も増します。
取り外してからまず確認したいのが、パッキンやボルトの状態です。通常、タンクと便器の接合部分はパッキンとボルトで固定されています。長年にわたり使用していると、パッキンの経年劣化やボルトの腐食が進行している場合があります。
もしパッキンが劣化していたなら、ついでに新しいものと交換しておきましょう。またサビで腐食していたら、やはり新しいボルトに付け替えることが必要です。そのままにしておくとタンクを再び戻して使用しても、水もれの原因が残ったままになります。
いよいよ便器の取り外しを開始!
まず取り外しを始める前に、タンクと同じく水抜きをします。この際には灯油用のスポイトを使用し、排水部分にたまっている水を吸い出します。もし水以外にもトイレットペーパー等のつまりを見つけたら、ラバーカップなどを使用して、しっかりと除去しておきます。
続いていよいよ便器の本体を取り外します。通常タイプの場合、4ヶ所の部分がナットやボルトで床に固定されています。取り外しの作業にはドライバーとモンキーレンチを使用しますが、ナットやボルトがサビ等によって腐食している時には、ナットブレーカーでナットそのものを破壊しておくと、スムーズに取り外せます。
4ヶ所のナットやボルトを外したからといって、一気に本体を持ち上げるのは禁物です。床面との固定には、強力なパテを使用しているケースがよくあるからです。またフランジと呼ばれる、便器と床面を接続する部品もあります。
何も知らずに無理に本体を取り外そうとすると、床面だけでなくフランジにまで大きな損傷を与えかねません。こうなると再び便器を設置できなくなってしまいます。したがってゆっくり慎重に取り外すことが重要です。
取り外したついでにフランジの状態や、Pシールガスケットと呼ばれる粘着性のパッキンもチェックします。劣化が進んでいるようならば交換しなければなりません。
そして便器内の排水部分や、床下へ続く排水管につまりの原因がないか確認します。手が届かかないような場所に挟まっていたら、ラバーカップやワイヤーブラシ等を使って詰まりを解消しましょう。
トイレのつまりは一刻も早く解消しなければなりません。放置しておけば、日常生活にも支障を及ぼします。ここで紹介した方法を参考にしながら、適切に対処しましょう。ただし少しでも難しいと感じたら、無理せずに専門の水道修理会社へ依頼してください。